ジョギングの効果
血管の修復とミトコンドリアの再生
①ミトコンドリア再生の仕組み
ジョギングなどの持久的運動を行うと、筋肉に酸素がたくさん必要になり、次のプロセスが活性化します。
• AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ):エネルギー不足を感知し、細胞内の代謝スイッチを入れる。
• PGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ共役因子1α):ミトコンドリアの新生を促す”マスター因子”。
• NRF1/NRF2(核呼吸因子)やTFAM(ミトコンドリア転写因子A):ミトコンドリアDNAを複製・維持する働きを強化。
👉 結果:新しいミトコンドリアが増え、既存のミトコンドリアも修復されて元気になる!
②ジョギングがミトコンドリアを増やすデータ
いくつかの研究でも、ジョギングや持久運動がミトコンドリアの再生を促進することが示されています。
• 週3回以上、30分の中強度ジョギングを4週間続けたグループは、筋肉内のミトコンドリア量が20〜30%増加したと報告されています(Hood et al., 2011)。
• 8週間のジョギングでは、ミトコンドリア酵素(シトクロムCオキシダーゼ、クエン酸合成酵素)の活性が向上し、エネルギー効率UPを確認(Wang et al., 2019)。
③どんなジョギングが効果的?
• 頻度:週3〜5回
• 時間:20〜40分(長すぎると疲労蓄積→活性酸素増加で逆効果)
• 強度:心拍数60〜70%(ちょっと汗ばむ程度、会話できるペース)
☆ポイント:スプリントやHIITを週1回入れると、さらにPGC-1αが爆発的に増えやすいとも言われています!
ミトコンドリアを元気にして、代謝力UP・疲れにくい体・脂肪燃焼力UPを狙えますよ!
ジョギングを習慣化すれば、アンチエイジング効果も期待できそうですね。
コルチゾールの分泌促進
①ジョギングによるコルチゾール分泌の基本メカニズム
ジョギングなどの運動をすると、体は「ストレス」と認識して、一時的にコルチゾールを分泌します。
流れをざっくり言うと:
1. 運動 → 交感神経が優位になる
2. 副腎からコルチゾールが分泌される
3. 血糖値上昇・脂肪分解・抗炎症作用などを促し、体をパフォーマンスモードに
4. 運動後は、副交感神経が優位になり、リラックス&回復モードへ
👉 適度なジョギングなら、コルチゾールは運動後にスッと下がるので、むしろストレス耐性UPに役立ちます!
②コルチゾールが上がりすぎるパターン
問題は、負荷が強すぎるor長すぎるジョギングをするとき。
✅ 長時間(1時間以上)のジョギングや高強度だと…
• コルチゾールが過剰分泌
• 筋肉分解(糖新生でアミノ酸をエネルギーに)
• 免疫力低下、回復力ダウン
• 睡眠の質低下
👉 特に毎日ガンガン走るのは逆効果。
「走ってるのに痩せない」「疲れが抜けない」という人は、コルチゾール過剰が関わってるかも。
③コルチゾールをうまくコントロールするジョギング法
🟢 頻度:週3〜4回
🟢 時間:20〜40分(長くても1時間以内)
🟢 強度:会話できるペース(最大心拍数の60〜70%) → 「軽く息が弾むくらい」
🟢 時間帯:朝〜昼がベスト!夜遅くはコルチゾールを下げにくい
👉 走った後にストレッチや深呼吸を加えると、副交感神経が優位になって回復促進!
④コルチゾールとうまく付き合えば、ミトコンドリアも強化!
面白いのが、適度なコルチゾール上昇は、実はミトコンドリア再生を促すこともわかっています。
• PGC-1αの活性化促進
• 酸化ストレス耐性UP
• 脂肪燃焼モードを長時間維持
👉 だから、「短め・適度なジョギング」は、ミトコンドリア強化とストレス耐性UPの二重効果が狙えるわけです!
ジョギング負荷量
脈が20位上がる程度、30分、週3回の頻度は、ストレスバランスの再製ができてくる。
ジョギングの効果に関する研究論文
スロージョギングの効用:スロージョギングは、肥満解消や競技力向上に有効であり、健康障害の予防や有酸素能力の向上に寄与することが報告されています。 https://jsna.org
ランニングの心理的効果:中強度のランニングは、快適な気分と実行機能を高め、前頭前野の活動を促進することが示されています。 筑波大學
健康増進としてのスロージョギング:スロージョギングは、主観的なきつさがウォーキングと同程度でありながら、エネルギー消費量が約1.8倍となり、生活習慣病の予防や筋肉量の増加に効果的であるとされています。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_46S1_1/_article/-char/ja/ J-STAGE Vol.46 Suppl.No.1