肩こりの原因は?
いわゆる『肩こり』は首から肩甲骨の間の筋肉が緊張して、主だるいような鈍痛を主症状とするものです。
肩こりの4代原因
「同じ姿勢」「眼精疲労」「運動不足」「ストレス」
原因は数十種類もあり人によってさまざまです。そのなかでとくに多いのが「同じ姿勢」「眼精疲労」「運動不足」「ストレス」で、肩こりの4大原因とされています。
厚生労働省の『国民生活基礎調査(平成28年)』によると、私たちが日常生活で自覚している症状のなかで、肩こりは女性では1位、男性では2位になっています。
最近では、肩こりと血圧の関連も注目されています。従来は低血圧の方に肩こりが多いとされていたのですが、反対に高血圧の方も少なくないそうです。
30代くらいから肩周辺の筋肉・腱などは柔軟性が失われ、筋力や機能が低下します。そのために中高年になると肩の痛みや肩こりがおこりやすくなります。
肩の症状チェック
肩の周辺に「コリ・痛み」を感じる場合は、どこに症状が出ているかチェックしてみましょう。
①首の裏側
②首の付け根から肩にかけて
③背中の肩甲骨の内側
④肩から上腕部にかけて
①から③のいずれか、または④以外のすべて➡肩こり
④のみ➡五十肩・腱板断裂などの肩関節の障害
の可能性があります。
不良姿勢による
肩こりは、腕の重みを引き上げる筋肉の疲労によって起こります。つまり、腕の重みが肩こりの原因となります。
腕の重さは片腕で5~6kg。この腕を引き上げている筋肉は、首の後ろにある肩甲挙筋と僧帽筋や菱形筋です。
この3つの筋肉に運動不足や肩の使いすぎ、長時間の同一姿勢、姿勢が悪いなどの原因で疲労がたまり、肩こりを起こします。
不良姿勢である「円背姿勢」は体幹に対して頭部が前方に突出する状態になり、頭部の負担と共に背筋が常に緊張状態になる為に症状が起こります。
「なで肩」は肩甲骨を支える筋肉(僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋)が伸ばされることで過剰な負担となるのです。
神経学的テストや関節可動域のテストが重要です!
重要な神経学テスト
サルカスサイン
<目的>
上腕骨頭の下方への不安定性の検査
ドゥロップアームテスト
<目的>
腱板断裂の有無
<検査>
座位または立位。検者が肩関節外転100度まで患者の上肢を把持して、ゆっくり離し、上肢をゆっくり下ろすように指示。体幹側屈の代償を抑えるために肩甲骨を固定。肩関節90度あたりから急激に落下した場合を陽性とする。
棘上筋テスト
<目的>
棘上筋を収縮させて棘上筋の損傷の有無を確認
肩甲下筋テスト
<目的>
肩甲下筋の損傷・断裂・筋力低下の有無
肩関節の可動域テスト
心理的要因
自律神経の乱れやストレスにより血流不足を招き、首・背中の痛みが出現します。
こうした痛みは性格とも深くかんよすると言われています。
特徴
①几帳面・完全主義など
②痛みを訴え周りの気を引く
③自己責任感がつよい
などに分類されると言われています。
理学療法 23巻1号 2006年1月 「痛み 有痛性疾患の理学療法より」
肩こり以外の症状がある場合は
肩こり以外に、下記のような症状があると、ほかの病気のリスクが考えられると言われています。
①体を動かした時に息切れしやすい
②目の奥の違和感
③頭が重く感じる
④下に歯形がついている
⑤上瞼が黒目の真ん中までかぶさる
①は狭心症や心筋梗塞の可能性があります。これらの病気の場合、心臓の痛み以外に関連痛といって、肩など心臓とは別の場所に症状を起こすことが少なくありません。
②目の奥の違和感、③頭が重く感じる症状や吐き気、頭痛がある場合は、脳動脈瘤の可能性のためこうした症状や肩こりが生じます。
④の場合は、無意識に上下の歯をかみしめ続けてしまう歯列接触癖の可能性。かむ筋肉などが疲労することで、肩こりが生じることがあります。
⑤の場合は、加齢や長期間のハードコンタクトレンズの使用によって、上まぶたを引き上げる筋力が低下してまぶたが下がる眼けん下垂の可能性のために肩こりが起こりやすくなります。
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