私たちは毎日2万回の呼吸をしています 酸素の出し入れをしてエネルギーに変えています 呼吸の大切さについて 私は、エクササイズや施術において呼吸を最も大切にしていると言っても過言ではありません
呼吸のしくみ
呼吸を司るのは肺です。肺は自分の力で空気を吸ったり吐いたりすることができません。肋間筋と、横隔膜の動きにより空気を吸ったり吐いたりしています。
【息を吸うとき】 肋骨の間の筋肉が伸びると胸壁が広がり、肺も横に引っ張られてふくらみます。同時に横隔膜が縮んで下にさがるので、肺は下に引っ張られてふくらみます。ふくらんだ肺の中へ空気が入って行きます。
【息を吐くとき】 肋骨の間の筋肉が縮み、胸壁を縮ませるため肺も押されて縮みます。 同時に横隔膜も伸びて上にあがるので肺も下から押しあげられて小さくなります。肺が縮むことで、肺の中の空気が外へ押し出されます。
図はhttps://www.kango-roo.com/learning/1619/より
呼吸の重要性
私たちは生きるために必要なエネルギーを、毎日の食事から吸収し、作り出しています。 食べ物は、体に吸収しやすい養分に変わります。この養分のうちブドウ糖という栄養が、エネルギーの主なもとになります。体の中で、このブドウ糖などの栄養と、呼吸で取り入れた酸素が結びつくと、エネルギーになるのです。 そして、酸素が使われエネルギーが生まれたあとには二酸化炭素ができます。二酸化炭素は、体内にあると有害なため、肺から呼吸により体の外に吐き出されているのです。
肺に入る空気の量
通常、安静時に呼吸を1回すると、肺に吸い込まれる空気の量は大人の男性で400〜500ml程度です(小さいペッドボトル1本程)。小学生なら200〜300ml程度です。 人は安静時、1分間に約16回ほど呼吸をするので、大人の男性なら6400〜8000mlの空気を1分間に吸い、小学生なら3200〜4800mlを吸うことになります
良くある呼吸器疾患
気管支喘息
気管支喘息は、(その人特異なアレルギー反応)によって気管・気管支粘膜に慢性炎症を起こしている状態です。
喘息は気管・気管支の筋肉が痙攣を起こして気管・気管支が細くなり、息が吐き難くなる状態です。特徴としては、喘鳴・呼吸困難・痰の分泌物であり死に至る場合もあります。
COPD(閉塞性肺疾患)(肺気腫+慢性気管支炎も含む)
肺を構成している肺胞という組織が破壊されることにより起こる病気です。タバコの煙などの有害物質を長期にわたり吸入することにより生じる肺の炎症性疾患です。肺気腫患者さんの90%以上は喫煙者であり、特に1日30本以上のヘビースモーカーが30%を占めています。 肺胞が破壊されると肺での酸素交換が困難になり、肺組織を元に戻すことはできないので、根本治療は期待できず、残された肺の構造と機能を維持する治療が中心になります。 比較的高齢者でやせた人にみられ、運動時の息切れを主な症状とした病気です。咳や痰は、ほとんど出ません。息切れの強さは1年を通してどの季節でもあまり変化はなく、1日のうちでも程度が特に変化することはありません。はじめ、駅の階段などを一度に上りきることができないという自覚症状があります。
肺ガン
1981年以来、日本の死因の第1位は悪性新生物です。肺がんは、罹患数の増加とともに、死亡率も年々上昇し、1998年には胃がんを抜いて肺がんが死亡率の第1位となりました。その後も死亡率は高まり、2018年には約7万4300人が肺がんで亡くなっています。男女別の死亡者数は、男性で約5万2400人(死亡率第1位)、女性で約2万1900人(死亡率第2位)となっています。 ある調査では、肺がん患者さんの喫煙率は、肺がんの男性患者さんで55.0%、女性患者さんで16.1%と、男女ともにがんでない人に比べて高い傾向が見られます。過去の喫煙経験も含めた喫煙率は男性患者さんの方が女性患者さんよりも3倍以上高いという報告があります。
いびきと睡眠時無呼吸症候群
いびきは「睡眠時に起こる異常な呼吸音」と定義されています。発生源は上顎の奥にある口蓋垂および軟口蓋周囲の粘膜であり、睡眠中の呼吸に伴い過剰に振動するためにあの独特な音がでます。 そして、いびきをかく人の多くは睡眠時無呼吸を伴っています。無呼吸症候群は一晩に30回以上の無呼吸が生じることです。中年期の男性(肥満者)に多く見られます。睡眠時無呼吸症候群により米国では、年間4万人近くが死亡しているという報告もあります。
過呼吸症候群
過呼吸症候群とは、精神的な不安や緊張などを感じているとき、無意識のうちに呼吸回数が異常に増えてしまう状態を指します。過呼吸症候群は、若い世代の女性にみられることが多い病気です。 過呼吸症候群の発作時には、患者さんの不安を取り除くことが大切です。気持ちを落ち着かせ、意識的に呼吸を遅くする、あるいは呼吸を止めることができるように促します。 症状的には、急に息が苦しくなって、動悸、頻脈、めまい、手足のしびれなどの発作を繰り返します。発作は、30~60分程度で自然に軽快します。
肺炎
細菌が肺の中で異常に増殖した状態です。肺炎の主な症状は、せき、発熱、胸痛、痰がでる、息苦しいなどで、かぜの症状と間違えられやすいのですが、症状が長引き、かぜの症状よりも重いのが特徴です。しかし、病原体の種類によっては、せきや熱などがあまりでない場合もあり、かぜと勘違いしてしまうケースも多いようです。 細菌以外の病原体、ウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどでは、肺胞ではなく、肺胞同士の肉の隙間(肺間質)の炎症を示すことがあります。肺間質の浮腫と炎症があり、時に肺胞の線維性変化を伴います。間質性肺炎としてレントゲン上は筋ばった影や網目状の影としてみられることが特徴です。
呼吸訓練
喘息の方や呼吸が浅い方、疾患をお持ちの方など呼吸法をマスターするために治療院に来院されています。ぜひ、一度お試しください!
1口すぼめ呼吸 軌道の内圧が高まり、細くなった気管支広がり空気が出やすくなります。
2腹式呼吸 手を胸とお腹に置きます。お腹を膨らませながら鼻から息を吸って、お腹をへこませながら口をすぼめて吐き出していきます。
3ハフィング 喉の上がってきた痰を吐くための重要な方法です。「ハッ」「ハッ」「ハッ」と声を出さずに息を吐きだしていきます。吐くときに胸部を圧迫するだけで強く吐くことが出来ます。
呼吸体操
胸郭筋のリラクゼーション
上肢筋と腹筋トレーニング