2019.07.29
中医学と内臓
中医学では、 内臓を心(しん)・肝・脾・肺・腎という5つのグループに分けて考えます。 この5つは、五臓と呼ばれています。
現代医学の内臓と同じ名前ですが、解剖的な意味合いだけでなく、人体の働きや機能を5つに分類したものです。 五臓も五行説に当てはめて考えることができ、お互いに助けたり(相生)、抑制したり(相克)しながらバランスを保っています。
内臓は五つに分けて考えることができます
まずは、あなたの五臓の働きをチェックしてみましょう。 下のチェックシートで自分に当てはまる症状にチェックを入れてみてください チェックが多くついたところが、機能の弱っている臓器です。
心の機能チェック
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肺の機能チェック
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肝の機能チェック
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脾の機能チェック
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腎の機能チェック
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食べ物にも五味があります
寒い時に、ピリ辛のものを食べると、体がポカポカします。 これは、辛味のものに「気」「血」のめぐりをよくする作用があるのです。 中医学では、食物の味を5つに分けています。酸(すっぱい)・苦(苦い)・甘(あまい)・辛(辛い)・鹹(塩辛い)に分かれます。 また、5味は、それぞれ5臓「肝・心・脾・肺・腎」と密接にかかわり働きます。
食べ物には苦手なもの・好んでたくさん食べているものがあります。 苦手な食べ物は「赤・黄・緑・白・黒」のどのグループに多いか? そして、それは、どの臓器と深く関わっているか下の図と照らし合わせてみます。 先ほど、チックをして機能が弱っている臓器との関係はどうでしたか!?
五味は、それぞれ五臓と密接に関係をもっていると考えられています。
温 | 平 | 寒 | |||||
木 | 酸/ 緑 | 肝 | 米酢・梅肉・酢 リンゴ・すもも 杏 五味子・木瓜 | 梅・カリン ヨーグルト サンシュウ 烏梅・酸棗仁 | 柚子・橙・カボス 酢だち・レモン | ||
火 | 苦/ 赤 | 心 | よもぎ・蕗 タラの芽 麻黄・蒼朮 白朮・檳榔子 厚朴・防已 艾葉 | うど・菊花・春菊 ぎんなん 柴胡・独活・連翹 桃仁・インチンコウ 桃仁・芍薬・牛黄 | 茶・コーヒ・苦瓜 筍・牛蒡・ビール たかな・ほうれん草 黄連・黄柏・梔子 枳実・大黄・苦参 地骨皮・オウゴン 芒硝・熊胆・紫根 | ||
土 | 甘/ 黄 | 脾 | うどん・鰻・鯛 牡蠣・鯵・エビ 羊肉・牛肉 カボチャ・山芋 当帰・山薬・杏仁 忍冬・反鼻 | 胡麻・大豆・米 蓮根・鶏卵・水飴 トウモロコシ 小豆・蜂蜜・ぶどう 大棗・サンザシ・飴 甘草・百合・葛根 茯苓・麦門冬 | 砂糖・茄子・胡瓜 キャベツ・トマト 白菜・レタス・柿 桃・ミカン・梨・豆腐 こんにゃく 沢瀉・地黄・滑石 瓜子・桑白皮・茅根 | ||
金 | 辛/ 白 | 肺 | 紫蘇・わさび にら・大根 胡椒・山椒 ラッキョウ 生姜・唐辛子 にら・酒 桂皮・橘皮・乾姜 辛夷・防風・薄荷 丁香・麝香・木香 十薬・附子・細辛 薤白・桔梗・陳皮 | さといも・ネギ 杜仲・木通・半夏 天麻・茴香 | ずいき 蟾酥・金銀花 牡丹皮・石膏 | ||
水 | 鹹/ 黒 | 腎 | めざし・干物 佃煮・大麦 栗・鰯・鯖 味噌・納豆 大麦・旋覆花 | シジミ・ヒジキ わかめ・醤油 牡蛎・水蛭・鼈甲 | 青のり・食塩・かに 昆布・アサリ モズク・蛤 シャチュウ |
あくまでも、これらは一つの指標です。 併せて、しっかり内臓機能の働きを見ていく必要があります。